化学ループの概念を取り入れた重質液体燃料のコークス化

【特許権者】サウジ アラビアン オイル カンパニー
【特許番号】特許第6356343号
【登録日】平成30年6月22日(2018.6.22)
【要約】【要約】
化学ループ燃焼の概念を用いた発電用のプロセスが、分解反応器での重質液体燃料コークス化と一体化し、分解反応器からくる金属酸化物粒子の石油コークス堆積物が、化学ループ燃焼反応の燃料として使用されるように構成されている。本プロセスはまた、分解反応器の中で分解反応を開始するために必要な熱が、金属酸化物粒子により供給されるように構成されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素キャリアの存在下で少なくとも1つの液化炭化水素供給物を分解させ、第1の生成物流と、前記酸素キャリアに堆積する石油コークスと、を生成する第1の反応条件下で運転する第1の反応器に、少なくとも1つの液化炭化水素供給物を注入するステップと;
前記酸素キャリアを石油コークスが堆積した状態で前記第1の反応器から第2の反応器に移動するステップと;
第2の生成物流を生成し、石油コークスが堆積して含まれている前記酸素キャリアを還元する第2の反応条件で、前記第2の反応器を運転するステップと;
還元された酸素キャリアの少なくとも第1の部分を前記第1の反応器に移動するステップであって、前記還元された酸素キャリアが、前記第1の反応条件で前記第1の反応器を運転可能とする熱およびエネルギーを提供するステップと;
前記還元された酸素キャリアの少なくとも第2の部分を第3の反応器に移動するステップであって、前記第3の反応器は、前記還元された酸素キャリアを酸化する第3の条件の下で運転されることを特徴とするステップと;
酸化された酸素キャリアを前記第3の反応器から前記第2の反応器に再び移動させるステップと、を備えることを特徴とする炭化水素分解が一体化した化学ループのための方法。
【請求項2】
前記第1の反応器に分解反応器が備えられ、前記第2の反応器に燃料反応器が備えられ、前記第3の反応器に空気反応器が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの液化炭化水素供給物に重質液体燃料が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸素キャリアに金属酸化物が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
金属酸化物が前記第1の反応器の内部にある層の中に設けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の反応器に蒸気を注入して、前記第2の生成物流がガス流の状態で生成されるステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ガス流に合成ガスが含まれることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記酸素キャリアに堆積した石油コークスが、前記第2の反応器に注入された蒸気およびCO2、と反応して合成ガスを生成し、これにより酸素キャリアが還元されることを特徴とするガス化プロセスが、前記第2の反応条件に含まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の反応器からくる前記還元された酸素キャリアを、分割反応器の中で、前記第1の反応器に戻される第1の部分と、前記第2の反応器に再び戻される第2の部分と、に分割するステップがさらに備えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第3の反応器からくる前記酸化された酸素キャリアを、分割反応器の中で、前記第2の反応器に戻される第1の部分と、前記第3の反応器に戻される第2の部分とに分割するステップがさらに備えられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
エネルギーを生成するために、前記第2の生成物流を、前記第2の反応器からガスタービンに移動させるステップをさらに備え、前記第2の生成物流に合成ガスが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
重質液体燃料と金属酸化物を分解反応器に注入するステップと;
前記分解反応器にある前記重質燃料を前記金属酸化物の存在下で分解して、石油系生成物と、前記金属酸化物に石油コークス堆積物を生成するステップと;
石油コークスが堆積した金属酸化物を、前記分解反応器から燃料反応器に供給するステップと;
前記石油コークスが堆積した金属酸化物を、水蒸気存在下で前記燃料反応器の中でガス化させ、生成ガス流、未燃ガス、および還元された金属酸化物を生成するステップと;
前記生成ガス流、未燃ガス、および前記還元された金属酸化物を前記燃料反応器からライザーに供給するステップと;
分離区域の中で前記未燃ガスおよび前記生成ガス流から前記還元された金属酸化物を分離させるステップと;
分離された還元された金属酸化物を空気反応器に供給するステップと;
前記還元された金属酸化物を前記空気反応器の中で酸化させることで、酸化された金属酸化物と燃焼排ガスを生成し、前記酸化された金属酸化物が前記燃料反応器に戻って供給されるステップと、を備えることを特徴とする、炭化水素分解が一体化した化学ループ燃焼のためのプロセス。
【請求項13】
前記燃料反応器が乱流層型、流動層型、および循環流動層型の何れか1つであることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記分解反応器が乱流層型、流動層型、および循環流動層型の何れか1つであることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記石油系生成物に、ナフサ、ガソリン、ディーゼル燃料、石油コークス、軽油、およびLPGからなる群から選択される生成物が含まれることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記石油系生成物を前記分解反応器から分離装置に供給するステップをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項17】
前記還元された金属酸化物に堆積した石油コークスの生産性を高めるために、前記石油系生成物を前記分離装置から前記分解反応器に再利用するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記生成ガス流にCOとH2が含まれることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項19】
前記生成ガス流に合成ガスが含まれることを特徴とする請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記合成ガスを複合サイクルタービンに使用して電気を生成することを特徴とする請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記未燃ガスに硫黄が含まれることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ライザーに硫黄吸着材を注入するステップがさらに備えられることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項23】
前記硫黄吸着材が石灰石であることを特徴とする請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記分離区域から分割反応器に前記還元された金属酸化物を運搬するステップと、前記還元された金属酸化物の一部を、前記分割反応器から、前記分解反応器および前記燃料反応器へと運搬するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項25】
前記酸化された金属酸化物および燃焼排ガスを、前記空気反応器から前記分離装置へと運搬するステップをさらに含み、前記酸化された金属酸化物が前記燃焼排ガスから分離されることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項26】
前記酸化された金属酸化物を前記分離装置から分割反応器へと運搬するステップと、前記酸化された金属酸化物の一部を前記分割反応器から、前記燃料反応器および前記空気反応器へと運搬するステップとをさらに備えたことを特徴とする請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
気流を前記空気反応器に注入して、前記還元された酸素キャリアを酸化させるステップをさらに備えたことを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項28】
重質液体燃料の燃料源と;
重質液体燃料および金属酸化物が導入され、前記重質液体燃料が分解反応を経て石油系生成物を形成し、石油コークス粒子が前記金属酸化物に堆積する分解反応器と;
前記分解反応器に第1の導管を介して流体連通し、石油コークスが堆積する金属酸化物が受け入れられている燃料反応器であって、前記燃料反応器に導入された水蒸気を用いて、金属酸化物を石油コークス堆積物と共にガス化させることにより、合成ガス、未燃ガス、および還元された金属酸化物が生成するように構成された燃料反応器と;
前記燃料反応器と流体連通して前記合成ガスおよび前記還元された金属酸化物を受け入れ、前記分解反応器とも流体連通しているライザーであって、還元された金属酸化物の第1の部分が前記ライザーから前記分解反応器に運搬され、還元された金属酸化物の第2の部分が前記ライザーから前記燃料反応器に運搬されるように構成されたライザーと;
前記燃料反応器と第2の導管を通って流体連通し、前記燃料反応器から還元された金属酸化物を受け入れる空気反応器であって、前記空気反応器には、前記還元された金属酸化物を酸化させ、酸化された金属酸化物と燃焼排ガスを生成するための空気を導入する吸気口が設けられている空気反応器と;
前記空気反応器と前記燃料反応器を流体接続する第3の導管であって、前記酸化された金属酸化物の第1の部分を前記空気反応器から前記燃料反応器に運搬し、前記酸化された金属酸化物の第2の部分が前記空気反応器に再利用されるように構成された第3の導管と、
が備えられたことを特徴とする重質燃料コークス化と化学ループ燃焼が一体化したシステム
【請求項29】
前記分解反応器と第4の導管を介して流体連通する分離装置をさらに備え、前記分離装置が前記分解反応器から石油系生成物を受け入れることを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記ライザーと第4の導管を介して流体連通する分離器をさらに備え、前記分離器は前記燃料反応器からくる前記合成ガスおよび前記還元された金属酸化物を受け入れて、前記還元された金属酸化物から前記合成ガス、未燃ガスを分離し、前記還元された金属酸化物を前記分解反応器および前記燃料反応器に運搬することを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記分解反応器と前記燃料反応器との圧力バランスを保つ分割反応器をさらに備え、前記分割反応器が第5の導管により前記分離器に流体接続され、前記分離器からくる還元された金属酸化物が前記分割反応器を通過してから、前記分解反応器と前記燃料反応器に受け入れられることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記空気反応器と第4の導管を介して流体連通する分離器をさらに備え、
前記分離器は前記空気反応器からくる酸化された金属酸化物と燃焼排ガスを受け入れて、前記燃焼排ガスから前記酸化された金属酸化物を分離し、前記酸化された金属酸化物を、前記燃料反応器と前記空気反応器に運搬することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記燃料反応器と前記空気反応器との圧力バランスを保つ分割反応器をさらに備え、前記分割反応器が第5の導管により前記分離器に流体接続され、前記分離器からくる酸化された金属酸化物が前記分割反応器を通過してから、前記燃料反応器と前記空気反応器に受け入れられることを特徴とする請求項32に記載のシステム。

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