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競争から協調へ~次世代ビジネス戦略~

「AI、IoT、ブロックチェーン。新たな技術が次々に登場し、世界の産業は100年に一度の大きな変革期にあります」。特許庁長官 宗像直子氏は今年の年頭所感の冒頭でそう述べております。現在政府は、これまで人間が行っていた作業や調整をAIロボットが代行・支援し、日々の煩雑で不得手な作業などから解放され、誰もが快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる新たな社会「Society 5.0」を目指し、様々な政策を進めております。


内閣府HP、科学技術・イノベーション、「Society 5.0」より引用


このような社会「Society 5.0」の実現のため、我が国は産業界が目指すべき姿として「Connected industries」というコンセプトを世界に向けて発信しています。


「Connected industries」とは、モノとモノ、モノと人、人と企業、企業と企業、さらには異なる産業同士が、IT技術を通じて、分野を超えて横断的に連携することで、新たな付加価値の創出や、人手不足やエネルギー節約などの社会課題の解決をもたらそうという考えです。


幸いにも日本の企業、特に全企業の大半を占める中小企業には、ものづくりの現場に価値のある膨大なデータ(リアルデータ)が蓄積されております。これらの中小企業が価値のあるデータを互いに共有し、互いの連携を強めていくことで、米国Googleをはじめとする世界の大企業と互角以上に渡り合いながらも、世界の産業基盤を日本がリードして作り上げることができるのではないでしょうか。「日本企業は、得てして、国内市場で激しく競り合い、競争領域と協調領域の線引きが大変苦手である。しかし、協調すべきところは協調していかなければ、世界に伍して戦っていくことは困難である」。「Connected industries」の名付け親である世耕弘成 経済産業相はそう指摘します。中小企業の連係プレーが、ものづくり大国日本が今後世界をリードして成長してゆくための鍵となりそうです。


しかし、複数の企業に共有されることを前提としたこのようなデータは、通常は営業秘密として保護されず、創作性等の要件を満たさない場合は著作物としても保護されないため、現行の法制度では十分に保護されません。これでは安心して他社とデータ共有などできるはずもありません。


そこで、平成31年7月1日に施行予定の不正競争防止法の改正では、ID・パスワード等により管理しつつ相手方を限定して提供するデータを不正取得等する行為を、新たに不正競争行為に位置づけ、これに対する差止請求権等の民事上の救済措置が設けられました。(経済産業省HP「不正競争防止法 直近の改正(平成30年)」を参照)。これに加えて弁理士法も改正され、知財のエキスパートである弁理士が、データ管理に関するコンサルティングを標榜業務として行えるようになります。


弊所も時代の波に乗り、来たるべき「Society 5.0」時代に向けてお客様が安心して円滑に業務を行えるよう、最大限の努力・サポートをさせていただきたく思います。 (Y.M.)

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