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2018年9月12日(水)、英国の「Carpmaels & Ransford事務所」より化学をご専門とするDr. Cockertonが来所され、実例を交えて、発明の開示要件(Article 83 EPC - Disclosure of the invention-)とクレームの明確性要件(Article 84 EPC - Clarity of the claims-)とについて、ご講義頂きました。
発明の開示要件については、開示要件違反を証明するのに『検証可能な事実によって実証された深刻な疑念がある』との高いハードルがあるため、審査段階で審査部から指摘されることはまれであり、相手方から異議申立てられるケースが多いとのことです。優先日時点において、発明が明瞭かつ十分に開示されている必要があり、例えば、測定方法によって結果が大きく異なる場合(例えば、分子量、粘度、ガラス転移温度、粒径等)、測定方法のパラメータが十分に記載されているかといった点に留意が必要です。
また、発明の開示要件違反は異議申立理由の一つであるのに対して、クレームの明確性要件違反は異議申立理由ではありません。しかしながら、クレームに記載された「あいまいなパラメータ」が、あいまいさゆえに発明特定事項と認定されない結果、進歩性がないとして、異議申立において特許が取り消された事例をご紹介頂きました。
パラメータを発明特定事項とするクレームでは、出願の段階において発明の開示要件とクレームの明確性に、より一層留意することが大切であることを改めてご教示頂きました。
筆: A.S.
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