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BALDER事務所(スペイン)からのご訪問

統一特許制度について

 UPC(統一特許裁判所)の準備委員会によると、当初統一特許制度への加盟に意欲的であったドイツでは、UPCに係る違憲申立が未だに違憲審査裁判所で係属中である。その真意はイギリス(UK)によるBrexitの動向をみるということにある。

 UKによる本格的なEU離脱が差し迫る中、イタリア以外の加盟国はUKによるUPCへの加盟を歓迎している。

 「EUを離脱するものの、UPCの枠組みに留まるのを図々しいと考える国もあるが、そもそものUPCの発足人はドイツ(DE)とUKなので、特に問題はないはずです。イタリアが異論を唱えているが、彼らはUKに建てるはずの統一特許裁判所をミラノに移したいだけです。」(Pires氏談)

スペインのUPC不参加が日本の企業にもたらすメリット/デメリットについて
〇(メリット)
(例)統一特許の付与後、スペインで有効化できたものの、EU全体において無効審決が確定した場合には、特許権者はスペインでの権利については更なる防御を図ることが可能である。
✖(デメリット)
 従来通り、スペイン国内での保護を受けるために、スペインでの出願又は有効化手続が必要となる。
 (スペイン国の権利に関しては)スペイン国内で訴訟等を起こす必要がある。

スペインのUPC不参加がスペインの企業にもたらすメリット/デメリット
〇(メリット)
欧州の広域において、権利化を図る企業は独自にUPCを利用することができる。
国内市場に特化したスペインの中小企業はスペイン国内の訴訟等の対応をすれば足りる。
✖(デメリット)
国際社会における、時代に逆行するスペインのイメージ。
スペイン国内の特許弁護士だけがUPC加盟諸国から取り残される懸念。

 


Brexitの展望について
 UKによるEU離脱(Brexit)は、今のところ2019年3月29日に予定されおり、移行期間は2020年12月20までである。

   UKの正式なEU離脱後における商標権及び意匠権並びに出願の取り扱いは以下の通りである。

■2020年12月20日前に付与された権利(EU)→自動的にUKにおける相当の権利に置き換わる。
■係属中の出願→2020年12月20日から9ヵ月以内にUKに再出願する必要があるが、登録要件等に関しては従前の出願日を基準に判断される。

   特許及び特許出願の取り扱いに関しては、変更はない。国際登録の取り扱いに関しては現時点では不明である。

文責:王 稔豊盛